当館では、現代の美術作家による二つの展覧会を、平成22年度最初の企画展として同時開催いたします。一つは、現代絵画の作家7名による展覧会「カイガのカイキ」。もう一つは、45名の作家が制作したブック・オブジェ(「本」のかたち美術作品)による展覧会「THE LIBRARY ASHIKAGA」です。
「本」のかたちをもとに、絵画、彫刻、工芸、写真、映像、イラストレーションなど、さまざまのジャンルで活躍する45名が制作した作品による展覧会です。これら45名は、年齢は20代前半から70代まで、活動する地域も国内では宮城から兵庫まで、国外ではドイツ在住の方を含んで、各世代、各ジャンルを代表する作家を主にしています。
この展覧会の最大の特徴は、ほとんどの作品を来館者が実際に手に取ってご覧になることができる点です。これは美術館で行われる展示としてはまれで、普段の展示では必ず一定の距離がある美術作品と直に触れ合うことで、美術を身近に感じ、その結果として作品がより深く理解されることを目指しています。
また、会期中には出品作家である今井紀彰、小林のりお、栃木美保、松永亨子、山本あまよかしむ、各氏によるワークショップや、学芸員による計6回のギャラリートークが、「カイガのカイキ」展の展示解説を兼ねて行われるほか、出品作家のオリジナル・グッズを販売するショップ「THE LIBRARY SHOP」を特設いたします。