総金地の六曲一双屏風に、濃淡の群青と緑青によって鮮烈に描きだされた燕子花の群生-。尾形光琳の代表作にして、根津美術館を象徴する国宝「燕子花図屏風」が、4年ぶりに根津美術館の初夏を彩ります。『伊勢物語』第9段「東下り」、燕子花の名所・八つ橋で詠じられた和歌をバックグラウンドに、意匠的な構図と、絵具の特性をいかした描写が渾然一体となった「燕子花図屏風」の魅力が、新しい展示室で最大限に引き出されます。あわせて桃山時代から江戸時代にかけて制作された館蔵の琳派作品を一堂に展観。斬新にして典雅、大胆な造形のなかに限りない繊細さをも秘めた琳派の美の世界をご堪能ください。