人形作家・高橋まゆみが創り出す世界は、日本の原風景ともいえる農村の世界であり、そこに生きるお年寄りたちの素朴で生き生きとした姿を表現した人形たちは表情豊かに私たちに語りかけてくれます。高橋は二十数年前長野県飯山市に嫁ぎ、この土地の人々の暮らしを主なテーマとして人形を制作。麦わら帽子に野良着姿でひと休みしているおばあちゃん。孫と並んで釣りを楽しむおじいちゃん。手に手に野菜を抱えて収穫を喜ぶ農家の人々。日常的に出会う彼らの素朴で温かい顔が制作の原動力となっています。
本展では、日本の四季折々の風景の中でくり広げられる小さな物語を創作人形など約130点により紹介します。ユーモラスで親しみある人形たちが、忘れかけていた「日本人の心」を思い出させてくれることでしょう。