平成18年に本学に寄贈された「中川一夫ライカコレクション」には、カメラ本体やレンズのみならず、あらゆる種類のアタッチメントやアクセサリー、文献資料が含まれており、その総数は1,000点を遙かに超えています。
顕微鏡や双眼鏡を製造する光学機器メーカーであったライツ社の技師オスカー・バルナックが1914年に開発したライカはコンパクトカメラの元祖、いわゆるスナップ写真を撮影可能にしたカメラとして知られています。誰でもが簡単に写真撮影できることはライカによってはじめて可能になり、現在のデジタルカメラにも受け継がれている特徴です。
しかし、コンパクトカメラとしての側面はライカの優れた特徴のほんの一面にしか過ぎません。ライカのために開発された、簡単に交換できる広角から超望遠までの多種多様なレンズや立体視のためのステレオ写真を撮影するレンズセット、接写撮影のためのアクセサリー、連写撮影のためのフィルム巻き上げモーター等々、カメラ本体1台あれば様々な用途に対応できるシステムカメラであった点もライカの大きな特徴と言えます。そして、これらのアタッチメントやアクセサリーがカメラ本体の世代にかかわらず使うことができ、多様な写真撮影ができるカメラとして、報道から学術分野まで様々な分野で長期間にわたって使い続けることのできる優れた道具として重宝されました。
本展では「中川一夫コレクション」の中からカメラ本体だけではなく、様々なアタッチメントやアクセサリーを選び、ライカのシステムカメラとしての側面を紹介します。
なお、会期中に「中川一夫ライカコレクション」を研究対象とした、本学藝術研究所の研究調査補助「ライカと写真行為の革新― 写真の可能性について」によるシンポジウムが下記の通り開催されます。
■シンポジウム「ライカと写真」
□日時:10月14日(水)午後1時20分~5時40分
□講師:金子隆一氏(写真評論家・東京都写真美術館専門調査員)
田中長徳氏(写真家)
□会場:大阪芸術大学 AVホール(芸術情報センター地下1階)
□主催:藝術研究所
※事前申込不要、参加費無料
※シンポジウムについてのお問い合わせ:写真学科研究室(電話:0721-93-3781 内線3453)