薩摩伝承館では、今春、「皇室の衣装展」と銘をうって東京の青梅きもの博物館所蔵の皇室ゆかりの装束をお借りし、お陰様をもちまして、盛況裏に終了することができましたが、続く第二弾として、人間国宝、いわゆる重要無形文化財保持者による日本が誇る豊かな陶芸技術の世界を、九州ゆかりの作家に焦点をあてて広く紹介する展覧会を開催いたします。
九州を代表する名工として知られる佐賀県有田の十三代今泉今右衛門氏・十四代酒井田柿右衛門氏、そして佐賀県唐津市に窯をかまえる十二代及び十三代の中里太郎右衛門氏を中心とした、世にいう「三右衛門」の展覧会となります。
ご承知のとおり、純粋な日本の和様を謳う三右衛門の技の美は、練達な技術の上に華を咲かせる至境を誇っていますが、その実作をまとめて鑑賞する機会はほとんどありません。この度の展覧会は、神奈川県湯河原町にある人間国宝美術館の全面的なご協力のもと、力作を一堂に集めて、美術に関心の深い皆々様にご高覧を願う機会をめざしています。
併せて、江戸時代の伊万里・柿右衛門様式と鍋島の名品を9点展示します。