現代美術と多摩川の意外な関係をご存知でしょうか。
1960年代以降、前衛美術は美術館や画廊などの既存の空間から、都市や自然へ飛び出しました。この東京・神奈川という大都会の住民にとって身近な自然河川である多摩川は、作品の発表や制作の舞台になることで、数々の美術品誕生に関わってきました。
本展では1964年に日野市中央線高架下(こうかした)で行われた中村宏と立石紘一による一日限りの展覧会「第1回観光芸術展」や、1971年の二子玉川付近における伝説的な上映会「川を写したフィルムを川に映す」など、戦後美術を画する4つの出来事にまつわるドキュメントや作品をご紹介します。また多摩川をモチーフとした絵画や写真など、現代の表現の中に、身近な自然との関わりを発見していきます。