2010年桃山絵画の巨匠、長谷川等(1539~1610)の没後400年にあたります。
水墨画の最高峰「松林図屏風」(国宝 東京国立博物館)、金碧障壁画の至宝「楓図」(国宝 京都市・智積院蔵)などを描き、当時の画壇に君臨する狩野永徳をも驚かした絵師、等伯。能登七尾に生を受けた等伯は、はじめ「信春」と名乗り主に仏画を描いて活躍、やがて30代で上洛すると仏画、肖像画、花鳥画など多岐にわたる画題を、時にせ精緻に、時に豪放に画きわけ、豊臣秀吉に重用される時代の寵児となりました。
72歳で生涯を終えるまでに描いた作品はm、今なお色褪せることなくみる者を魅了し続けます。また、彼のたどった波乱万丈の生涯、残された人間味溢れるエピソードも、我々を惹きつけてやみません。
本展は、長谷川等伯の幅広い画業を網羅する大回顧展です。郷里七尾で「信春」と名乗った初期の作品から上洛後「等伯」と号して大徳寺をはじめ京都の名刹に揮毫した数々の国宝、重要文化財作品まで、一挙公開。桃山の鼓動を伝える作品群と、それを創出した等伯の人間ドラマを没後400年の節目の年にご紹介いたします。