わが国は水や土、木など自然にめぐまれ、私たちの祖先は、この大地で世界最古と言われる土器を出現させました。「東の縄文」と言われる縄文土器や土偶、また「西の弥生」と言われる弥生土器や特殊器台などの祭器に、古代人の芸術性を感じることができます。
さらに、続く古墳時代の埴輪や須恵器は古代人の美の象徴といえ、次代の特色ある焼き物の源流ともなります。
この吉備の大地に備前焼が出現するのも平安時代末期で、鎌倉、室町、そして桃山へと隆盛を誇ります。全国でも中世の六古窯の歴史の中で、特色ある造形美が生み出され、現代の備前焼にもその伝統美が生かされています。
本展覧会では、こうした我が国で生まれた土と火の造形美を、古代から現代までご紹介します。