フィルムセンターでは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が定めた「世界視聴覚遺産の日」(10月27日)を記念するイベント事業を昨年より実施しています。そしてこのたびは、第2回目の特別イベント「『幸福』特別上映会:シルバー・カラーの復元」を開催する運びとなりました。
『幸福』(1981年)は公開当時市川崑監督が久々に現代社会を題材に選び正面から取り組んだ野心作であり、また主役に人気絶頂の水谷豊を起用し、「シルバー・カラー」と呼ばれる特殊現像プロセスを採用した点でも話題を呼びました。今回のイベントでは、フィルムセンターが新たに復元した『幸福』の「シルバー・カラー」プリントの上映と、1981年当時東洋現像所(現・IMAGICA)で本作の仕上げを担当し今回のプリント復元でもフィルムセンターの技術職員として監修を務めている鈴木美康の講演、『幸福』製作当時のスタッフであった手塚昌明氏によるトークなどを通して映画復元の一例を検証します。
本イベントが、文化遺産として歴史資料として映画を保存することの重要性を考える一助となれば幸いです。
協力:株式会社フォーライフミュージックエンタテイメント、株式会社IMAGICAウェスト、株式会社フジテレビジョン、株式会社崑プロ
後援:日本ユネスコ国内委員会