開館25周年記念の企画展〈collection+〉は、いよいよ日本画の名品による「伝統と革新 ―日本画の時代―」が開催されます。当館の日本画コレクションの中心は、大津出身で日本美術院最初の女性として同人になった小倉遊亀の作品群であり、その作品群を導き出した院展の巨匠の作品群です。横山大観・菱田春草・下村観山という明治の院展の三羽烏から始まり、今村紫紅を経て、安田靫彦・速水御舟などの作品が、それにあたります。これら院展の作品群については、9月12日より10月25日に開催する企画展「大正期、再興院展の輝き」と、ほぼ同時期の常設展「院展の名作、明治&昭和」で、鑑賞いただくこととなります。そこで、今回の「伝統と革新 ―日本画の時代―」は、「百花繚乱 ―工芸と洋画―」がそうであったように、主として滋賀県に関わる日本画の名作約70点を展示・公開いたします。
ここには、滋賀県出身の巨匠、岸竹堂や山元春挙の大作があり、その系統に連なる京都画壇で活躍した日本画家の大作や習作をご覧頂けます。また、千年の都の隣に位置して歴史のロマンに満ちあふれ、なだらかな山に囲まれながら日本一の大湖、琵琶湖を擁しての風光明媚な風土からは、古来よりこの地を扱った多くの名作が生み出されています。とりわけ、近江八景とそれに関連する作品を中心に展示・公開し、豊かな自然や歴史の重みをご堪能下さい。