三井家は、江戸時代には「越後屋」、近代には「三井呉服店」「三越」として、きものの制作と販売に深く関ってきました。本展では、この三井家に旧蔵された江戸時代後期から明治時代にかけての着物と着物制作のための下絵を合わせて出品いたします。
着物と下絵が共に残されていることは稀であり、下絵にはきものの形をした原寸大のものも多く含まれています。また、これらの意匠は、写実にもとづく絵画制作を重視した円山派の絵画との関連がうかがわれます。
当館所蔵品と大乗寺所蔵の下絵を合わせて70余点を紹介し、大呉服商として流行をリードする立場にあった三井家ならではの意匠や染織に焦点を当てます。