陶芸界初の文化勲章受章者であり近代陶芸の先覚者、板谷波山が中心になり、工芸美術の普及と作家個々の向上発展のため、茨城県出身及び在住の工芸作家が集結し、1930(昭和5)年、「茨城工芸会」が組織され、以後、隔年で展覧会を開催してまいりました。板谷波山は、初代会長として1963(昭和38)年に没するまで会長を務め、その存在は、茨城工芸界に多大な影響と功績を残しました。来年2010(平成22)年には、水戸市で第1回の展覧会を開催してから80年、また、板谷波山誕生の地、筑西市(旧下館市)にて茨城工芸会移動展が開催されてから70年を迎えるのを記念して、陶芸・染織・漆・金工・七宝・ガラス・モザイク・木工・刺繍・紙の10部門の茨城工芸会62名の会員による約80点の多彩な作品から、地元ゆかりの作家の工芸美術の現在(いま)をご紹介するとともに、しもだて美術館が所蔵する板谷波山の全作品を併せてご紹介します。
なお、会期中は関連行事として、ギャラリーコンサート、出品作家によるギャラリートークをはじめ、茨城工芸会などの協力により制作された映画『HAZAN』の特別上映会を開催します。