「いけばな」は、自然の草花や樹木を素材に表現される日本の伝統的造形美術です。仏に供えるための花、書院飾りの花、連歌会の花、七夕法楽の盛大な花の展観、そして茶席の花。近世には花道として流儀が整えられ、庶民層にも広範に普及しました。近代以降は女性の教養としてとり上げられ、また海外にも「IKEBANA」として知られます。
本展ではこのような日本の多彩ないけばなの変遷を、花伝書、絵巻・屏風などの記録類や絵画類、花器の名品など指定文化財を含む多数の作品でたどります。また、歴史的いけばな作品の復元や現代の諸流によるいけばなも展示し、広く「いけばな」文化を紹介します。