今年も、秋の中国美術の名品展「中国書画精華」を開催いたします。
「出山釈迦図」は左右に雪景山水図を伴い、三幅とも足利義満の印が押されています。足利将軍家の収蔵目録にも記載され、当時、唐絵(中国からもたらされた絵画)の最上の品格を有する作品として鑑賞されていました。その後三幅は散逸していまいましたが、昭和23年(1948)に「雪景山水図」が当館に入り、平成9年(1997)に「出山釈迦図」が、平成16年(2004)には残る「雪景山水図」が相次いで当館の所蔵となりました。幾星霜を経て再び義満の所蔵した「東山御物」の最優品が揃うことになったのです。そのため、従来は個別に国宝・重要文化財に指定されていたものが、平成19年(2007)に三幅を1件として国宝に指定されました。
この他、当館所蔵の唐・宋・元・明・清の歴代の書画の名品を展示します。この機会に、心ゆくまでお楽しみください。
※絵画作品は10月13日(火)に展示替えがあり、前期、後期で違う作品が展示されます。