堺出身の与謝野晶子は、歌人としても著名ですが、古典文学研究や女性の自立と地位向上を骨子とする評論、教育、社会活動など他の様々な分野でも活躍し、近年さらに評価が高まっています。
本展では、与謝野晶子が自作の歌を自ら書した作品を紹介します。彼女の細くさっぱりとした、しかも強いと評される書は、その歌や人となり、生き方にふさわしいもので、近代の文学者の代表的な書として価値づけられています。
また、晶子の書作品には、彼女の幅広い社会活動や交流から生まれた画家との共同作品も多く、優れた芸術作品として鑑賞していただけるものと存じます。
本年には、堺を開催地に第26回日本女性会議が「日本女性会議2009堺」として10月30日(金)から11月1日(日)まで開催され、本館も、分科会の会場となる予定です。本女性会議のテーマは、与謝野晶子が女性誌「青鞜」の創刊号のために作った詩「そぞろごと」から引用された「山の動く日きたる‐ジェンダー平等の宇宙へ‐」であり、本展は堺で開かれる女性会議にふさわしいものと考えられます。