平安京以来千年以上の歴史を持つ京都は、文化・芸術の上でも豊かな伝統を培ってきました。明治維新で政治の中心は東京に移りましたが、近代以後も「京都画壇」は日本画革新運動の一大勢力となり、洋画においても京都の画家たちが「日本の洋画」の確立に重要な役割を果たすなど、京都は日本の芸術の中心地としての一翼を担ってきたのです。
京都市美術館は、こうした恵まれた伝統と活発な制作環境を背景に、1933(昭和8)年、日本で二番目の大規模公立美術館として設立されました。以来、同時代の美術の拠点として、積極的な展示活動と地域に根付いた収集が行われ、そのコレクションは現在、近代以後の日本美術を語る上で欠くことのできないものとなっています。
この度の展覧会では、日本画の竹内栖鳳、上村松園、村上華岳、洋画の浅井忠、安井曽太郎、須田国太郎など、同館の誇る珠玉の作品63点により、現代にいたるまでの京都の絵画の軌跡を紹介します。名作の数々を東北で鑑賞できるまたとない機会を、是非お楽しみください。