戦時下の1941(昭和16)年、日本画の礒部草丘、洋画の横堀角次郎、工芸の森村酉三らが中心となり、会長に小室翠雲を据えて「群馬美術協会」が結成されました。県内あるいは東京において活躍する群馬県出身の美術家たちがジャンルや団体の垣根を越えて集結したこの会は、終戦を挟んで約10年の間、展覧会の開催など活発な活動を展開しました。
1950(昭和25)年、この群馬美術協会を母体に創設されたのが、群馬県美術展(県展)です。同年に開催された第1回展から数えて、今年、第60回展の節目を迎えます。
これを機に、本展では、群馬美術協会の結成に参加した作家から、現在の県展を支えている作家まで、各時代における代表的作家の作品を紹介することで、県展60年の歴史をたどります。
それと同時に、1960年代に活躍した「群馬NOMOグループ」など、県展という枠にとらわれずに群馬において重要な活動を展開してきた作家を広くとりあげ、戦後群馬を舞台とした美術活動の多様性を浮かび上がらせます。