わが国は、古代から中国大陸、朝鮮半島など東アジアの国々と密接な関わりをもちながら発展してきました。大陸文化の摂取のために行われた遣唐使が、菅原道真の建議によって廃止された後も、中国や朝鮮との間で貿易を中心とした経済・文化面の交流が盛んに行われました。
16世紀以降は、ヨーロッパ人の来航によって西洋の知識がもたらされます。その後、日本はキリスト教の禁止や幕藩体制の強化など、政治・経済・思想上の理由から国を鎖(とざ)します。けれども、外交では、中国やオランダと、長崎を窓口とする管理貿易の体制が成立していました。また、対馬の宗氏を仲介として交流のあった朝鮮や、中国との冊封関係にあった琉球は、ともに使節が将軍に謁見する「通信」の国でした。そのため、国外からさまざまな情報が伝えられました。
こうした外交政策は、オランダや東アジア諸国とのネットワークを考える上で重要であり、日本の政治・経済や文化などにも大きな影響を与えたと考えられます。今回は、江戸時代を中心とした絵図、外交文書など国際交流に関する資料を紹介します。