天皇陛下御即位20年を記念して開かれるこの展覧会は、皇室に伝わる御物をはじめ、宮内庁所蔵の諸作品のなかから特に名高い名品を選び、ご紹介するものです。展示は1期と2期とに分けて行われ、すべての作品が展示替えされます。1期は江戸時代から明治時代までの絵画と工芸品を中心とし、2期は古代から江戸時代までの考古、絵画、書跡、工芸品で構成します。
1期では、狩野永徳の唐獅子図屏風、海北友松の浜松図屏風などの近世美術の名品、さらには伊藤若冲の動植綵絵三十幅が一堂に会します。また、横山大観の朝陽霊峰はじめ鈴木長吉の百寿花瓶、川之邊一朝の菊蒔絵螺鈿棚など帝室技芸員による近代の美術の力作をご覧いただきます。
2期の見どころは、十年ぶりに東京で公開される正倉院宝物です。また聖徳太子像、法華義疏など聖徳太子ゆかりの作品も展示されます。書跡では王羲之の喪乱帖や小野道風の玉泉帖から伝藤原行成の粘葉本和漢朗詠集、後水尾天皇の消息まで平安時代から江戸時代までの能書家や宸筆の名作を選定し、絵巻作品としては近年修復がなされた春日権現験記絵や蒙古襲来絵詞が出品されます。また道誉一文字や平野藤四郎などの刀剣の名作も展示いたします。