近畿地方を中心とした作家たちの公募作品を展示する「全関西美術展」。
本展は、昭和16年より開催しているもので、毎年、近畿地方を中心として四国や北陸などからも広く作品が集まり、2,000点以上に及ぶ公募作品の中から選ばれた入選作約1,000点と招待作家等の作品約300点を展示しています。
全関西美術展は、大阪の芸術振興を目的として、昭和16年に日本画・洋画・彫塑・美術工芸の4部門にわたる公募の総合美術展「大阪市展」として発足しました。その後、昭和24年には書芸部門が加わり5部門の公募展となり、翌25年には展覧会の内容充実を図るため、その名も「関西総合美術展」と改めました。また、昭和34年の大阪市制70周年記念展からは「関西展」と改め、さらに昭和47年には「全関西美術展」と改称しました。
日本画、洋画・版画、彫刻、工芸、書というように美術のあらゆる部門が備わり、その各々に著名な美術家の作品も含まれており、現代における関西の美術の流れを知るためには見逃すことのできない展覧会といえます。
現在の内容に改められた昭和25年以来、今年で55回を迎えるこの全関西美術展は、地方における公募展でもっとも長い歴史をもっており、美術館の長い歴史と伝統が感じられることでしょう。