「桃太郎」「竹取物語」などは、私たちが昔話としてすぐに頭に思い浮かぶ作品のひとつです。ストーリーはもちろんのこと、多くの人が物語をモチーフにした絵画や絵本などの記憶から、その一場面をまるで見てきたかのように思い浮かべることもできるのではないでしょうか。このように画家の描く世界は、物語をより鮮やかに印象づけ、私たちの豊かな想像力を育んでくれます。
また、画家というものは空想力がとても豊かで、自分の伝えたいことを空想の世界の出来事にかえてしまうことができます。つまり、空想の絵は画家からのメッセージでもあるのです。
この展覧会では、神話や歴史上の人物をモチーフにした作品をはじめ、不思議な生き物や空想の世界を描いた作品を紹介します。憧れの歴史上の人物、知らない街や風景、見たこともない生き物、絵画の世界は私たちにとって不思議な世界への入り口です。あらためて物語を思い起こすのはもちろんのこと、画家のメッセージを想像したり、画家の描く世界を越えて、自分だけの、もっと自由な空想の世界にふみだすこともできます。それぞれの楽しみ方でご覧ください。