東京藝術大学の前身、東京美術学校では、明治22年の開校に先立ち、岡倉天心らが中心となって、 教育研究資料としてのコレクション収集を開始しました。以来120年余り、東京美術学校の歩みと共に 連綿と収集されてきたコレクションは、名品として世に知られる芸術品から、知られざる資料に至るまで、 まさに多岐に渡るものです。
なかでも東京美術学校の歴史に大きな役割を果たした指導者岡倉天心、正木直彦、黒田清輝、平櫛田中が、それぞれの見識をもって学校への収蔵に尽力した作品は、現在の藝大コレクションの核となっています。
本展覧会では、これらのコレクションのなかから約140件を、通常公開する機会のないものも織り交ぜ、厳選して紹介いたします。それらのひとつひとつから、コレクションに傾けた彼らの情熱が伝わってくることでしょう。