旅、そして異国の風景は、いつの時代も画家たちを刺激してきました。留学・遊学、長期滞在など目的はさまざまですが、故郷から遠く離れた地で体験した異文化は、たくさんの新しい発見に満ちていたことでしょう。画家たちはそうした経験を生かして、しばしば創作活動の幅を広げています。
旅先で目にした光景は、時には憧憬や郷愁も込めて作品に取り入れられました。それぞれのまなざしで捉えられた異国は、画家自身の旅の記録であり、記憶であり、心象風景となって、見るものに《異国》を追体験させるともに、新たな旅へと誘っているようでもあります。
本展では、武蔵野市の所蔵品から、諸外国の風景を描いた作品を中心にご紹介いたします。ヨーロッパの重厚な街並みや、アジアの活気ある街と人々、ニューヨークの片隅から、誰も知らない想像の国へ。描かれたさまざまな風景を通して、ひとときの世界一周の旅をお楽しみください。
また併設展として、近年受贈・購入した作品を展示・お披露目いたします。あわせてご覧ください。