ジェームズ・アンソールは19世紀末に活躍したベルギーの画家で、2010年に生誕150年を迎えます。
初期にはくすんだ色で一種のリアリズム的な題材をあつかっていましたが、やがて原色を多用して仮面や骸骨の登場する、寓意と風刺に満ちた独特の幻想的世界を展開しはじめましす。
こうした作風は同時代の批評家から非難の対象になっていましたが、次第に認められるようになり、晩年には男爵の爵位を得ています。その後、フラン札にその肖像が使われたり、小惑星にその名がつけられたりと、ベルギーの国民的画家となりました。今日では表現主義、シュルレアリスムといった20世紀を代表する芸術運動の先駆者として、高く評価されています。
本展では、版画家としても評価の高いアンソールの版画120点と関連作品約20点を展示しています。