八島太郎(やしまたろう)は、本名を岩松惇(あつし)といい、1908年、鹿児島県大隅半島小根占町(現・南大隅町)に医師の三男として生まれました。鹿児島県立第二鹿児島(現・鹿児島県立甲南高等学校)を卒業後、東京美術学校(現・東京芸術大学)に入学、日本プロレタリア美術家同盟に身を投じ、同じ同盟の光子と結婚しました。
1939年、息子(マコ)を日本に残し渡米しますが、戦後、娘(モモ)が生まれた後、マコをアメリカに呼び寄せ、一家4人の生活がはじまります。
それから、初めて子供のための絵本「村の樹」を出版、その後、出版された「からすたろう」「あまがさ」「海浜物語」は、絵本最高の名誉とされているコルデコット賞次席を受賞し、世界的な絵本作家としての地位を確立しました。
今回の生誕100年展では、八島太郎が「アメリカの土にはならない、必ず帰って自分を育ててくれた桜島を描くのだ」と終世願い続けた想いを込めて、桜島と鹿児島が一望できる長島美術館において、八島太郎の絵画、絵本、写真、俳句、収集した人形、民芸品を展示いたします。
今まで知らなかった八島太郎の素顔、そして命をかけて願い続けた「人間愛」「平和」をお伝えすることが出来たらと願っております。