環境破壊への警告が叫ばれる昨今、私たちの身の回りにある自然の風景に、改めて目を向ける必要性がますます高まっています。かつてのフランスでも、近代化が進むにつれて失われる自然の美しさに対し、バルビゾン派や印象派の画家たちはいち早く意識的に作品化しようと取り組みました。また、「風景画」は単に自然美を捉えようとするものではなく、画家の美意識を投影する世界像ともなりました。
本展では、吉野石膏コレクションからミレーやコローのバルビゾン派、モネやルノワール、ピサロ、シスレーら印象派の作品に加え、セザンヌ、ゴッホ、そしてフォーヴィスムを代表するヴラマンクや、エコール・ド・パリの画家たちによる風景画により、「風景」に対する幅広い表現を紹介し、その魅力を探ります。