絵画はさまざまなテーマや作風をもっています。観る者に静かに語りかけてくる穏やかな作品もあれば、まるで演劇や映画の一場面のような、強いインパクトで迫ってくるものもあります。
ドラマティックとは「劇的、波瀾に富むさま」という意味があります。この展覧会では、所蔵品の油彩画や日本画、版画の中から、劇的な場面をとらえた、まさに「ドラマティック」な作品を集めて展示します。
伊牟田経正の「仮面」は、バレエを演ずる男女の姿と手前に配された椅子の対比が印象的な作品です。また、イタリアの彫刻家・画家であるマリノ・マリーニの版画は、ストラヴィンスキー作曲のバレエ音楽『春の祭典』から着想を得た作品で、マリーニの代表的なモチーフである馬と人間が単純化されたフォルムで生き生きと描かれています。また、鹿児島のシンボルである桜島は現在も活動が盛んな火山ですが、この桜島を描いた画家が数多くいます。当館で所蔵する桜島コレクションの中から、エネルギッシュな桜島を描いた作品もご覧いただきます。そして、日本画からは、画題として頻繁に取り上げられる伝説上の生物「龍」の迫力ある姿をご覧いただきます。
このほか約25点の作品を通じて、ドラマティックな絵画の世界を存分にお楽しみください。