黄金崎クリスタルパークは、豊かな自然に恵まれた、ガラス原料の珪砂の産地であった西伊豆に1997年に開設されました。これまで、主に欧米や日本の優れた現代ガラス・コレクションを常設展示し、現代ガラスを中心とした企画展を定期的に開催するなど、ガラス芸術の魅力を広く人々に示すことで、現代ガラスに対する理解を深められるように努めてまいりました。こうした当館の10年以上に亘る取り組みのなかでも、この公募展は、ガラス造形分野に新しい成果をもたらすことが期待される重要な事業と言えるものです。
「KOGANEZAKI・器のかたち・現代ガラス展」は、2000年に国際展として第1回目がスタートし、第2回展以降からは、主に国内のガラス作家に対象を絞って作品を募集しています。こうした規模の変遷はありましたが、本展の大きな特色と言える「器のかたち」というテーマは当初から一貫して続いています。このテーマは、芸術の多様化が進む現代に、今一度造形の原点に立ち戻りつつ、新たな視点でガラスとは何か、造形とは何かを捉え直すことを意図して設けられています。
「器のかたち」という原初的な形態が、現代の造形作家の豊かな感性と創造力によってどのように昇華され、表現されていくのか。本展を通じて、ガラス造形の限りない魅力と新たな可能性を皆様に示すことができるものと信じています。