白檮廬コレクションとは、奈良県在住の収集家より寄贈を受けた陶磁器104点、中国工芸品3点からなるコレクションです。氏は、中国の文化芸術にたいへん造詣が深く、半生をかけて時代的、技法的に広範囲に及ぶコレクションを形成されてきました。それらの一点一点はコレクターの鑑識眼にかなった魅力あふれる作品で、まさに氏の美意識の反映といえます。当館では2003年に、ご寄贈品のなかから代表作品58点を厳選し紹介しました。
このたび、そのコレクションにあらたに中国陶磁32点、中国工芸1点が加わることになりました。本展では、新寄贈の作品を中心に約30点を展示します。新石器時代龍山文化の白陶、北斉~隋時代の緑褐釉陶、南宋時代の青磁など、氏の厳しい審美眼によって選ばれた作品の数々をお楽しみください。
なお、白檮とは、『古事記』、『日本書紀』、『万葉集』などに記載があり、「かし」と読まれています。橿、樫と同意語で、古代の平群(へぐり)(現奈良県生駒郡平群町)の枕詞であり、地名の別称としても用いられました。白檮廬とは「平群の庵」という意味で、氏が居住しておられることにちなんでコレクションの名称とされたものです。