浅川伯教(1884-1964)は、弟の巧とともに韓国陶磁研究の先駆者となった人物です。明治17年(1884)に山梨県に生まれた伯教は、大正2年(1913)から昭和21年(1946)までを朝鮮半島で暮らし、骨とう品店で見かけた朝鮮時代の白磁壺に魅入られたことをきっかけとして韓国のやきものの研究に没頭しはじめます。このことは、伯教と民藝運動の推進者となった柳宗悦(1889-1961)との出会いへつながり、柳が韓国陶磁に目覚める端緒ともなっていきました。
本展では、伯教の女婿である鈴木正男氏の寄贈品を中心として、浅川伯教が手元に置いた韓国のやきものや自作の絵画など、約40点を館蔵品の中から展示します。韓国陶磁研究者であり、彫刻家、画家でもあった伯教の様々な活動の側面を、作品を通じて紹介します。