代において、絵画や彫刻はどのように制作され、鑑賞され、愛されてきたのでしょうか。
大正時代に組織された「喜多方美術倶楽部」では、小川芋銭、森田恒友、石井柏亭など中央の作家を呼んで滞在させ、画会を開くなどして後援活動を行いました。漂泊の画家・竹久夢二も会津、船引、福島、郡山、いわきなど、各地に足跡を残し、さらに中村彝や結城素明も、白河の後援者たちと強い結びつきを持っていました。そうした交流の中で、風致に富んだ福島の自然やそこに生きる人々が、様々に描き出されていったのです。
本展は、芸術が息づく風土として福島を捉え、近代を支えた地域の〈文化力〉を見直そうとする試みです。