現代彫刻美術館では、彫刻家がどのような作品を制作してきたか、創造の歩みを紹介する個展形式の特別展を毎年開催してきました。第11回は、『鈴木武右衛門展』を開催いたします。
鈴木武右衛門氏は、1949年、千葉県に生れ、東京造形大学で彫刻を学び、在学中から新制作展に塑像の作品を入選出品し、1976年協会賞を受賞、1978年には30歳を前にして新制作協会会員となりました。石彫家として歩みだすきっかけとなったのは、学生時代に欧州研修旅行で古代ギリシアの大理石彫刻との出会いからでした。そこから生まれたトルソを主題とした人体表現、石との対峙、塊の強さから生まれる彫刻作品は圧倒的な存在感のある鈴木武右衛門独特の表現として知られるところです。1985年第1回現代日本具象彫刻展で大賞を受賞以降、数々の賞を受け、彫刻シンポジウムにも精力的に参加してきました。そして現在は、テーマはそれることなく石を刻む表現を中心にして構成、ミクストメディア等、新たな表現展開を続けています。
本展は作家自身によるテーマでセレクトされた約39点の彫刻作品で展示構成いたします。彫刻家鈴木武右衛門の世界をご覧ください。