いけばな草月流家元・勅使河原蒼風、写真科・土門拳・グラフィックデザイナー・亀倉雄策。それぞれ花、写真、デザインという全く異なる分野でそれぞれに世界的な作家ですが、3人ともそれまでの伝統や学歴など規制の概念にとらわれず、独自の視点と美学を持ち、可能性を切り拓いてきたという共通点を持っているうえに、このあくの強い個性的な3人は、「三兄弟」と呼ばれるほどに仲が良いことでも知られています。若い頃から仕事上でコラボレートを重ねてきた3人は、昭和52年いだした1冊の随筆集-土門の命名により「三人三様」と題された-からは、3人の深い信頼関係がうかがわれます。
また、3人の交流は、冬季年間建設時に亀倉が銘板・ポスター・チケットをデザインし、蒼風子息の宏氏が庭園を作るなど、いまもなお記念館の根底に流れています。
今回は、その土門拳記念館を会場に3人の作品を一堂に集め、交流の軌跡を展示するものです。