世界の映画史をひもとけば、どの国の映画も、そこで生まれた優れた文学作品を糧として発展してきたことが分かります。映画大国日本も例外ではなく、その百年以上にわたる歴史を通じて、さまざまな文学者たちの残したテクストが脚本家や監督たちを絶えず刺激してきました。
この上映企画は、フィルムセンター展示室にて開催の展覧会「映画資料でみる映画の中の日本文学Part 2」(4月3日~6月18日)の関連企画として、展示企画が対象とする昭和の始まりから終戦期までの文学作品を原作とする映画に焦点を当てたものです。個々の文学作品が各時代の文化状況の中でいかに一本の映画に “翻訳”されたかを、16本の名作を通じてたどります。