日本美術院は、明治31(1898)年、岡倉天心が中心となって、新しい時代の日本画を創出するために設立された美術団体です。その後一時経営難に陥った日本美術院が、明治39年、天心の命により、研究所を東京谷中から移し、さらなる研さんが積まれたのが茨城県の最北端にある景勝地五浦でした。天心没後の大正3(1914)年、天心の精神を受け継いだ横山大観、下村観山らによって再興された日本美術院は、それ以後も多くのすぐれた日本画家を輩出して今日にいたっています。
今回の再興第93回院展茨城五浦展では、郷倉和子、平山郁夫、松尾敏男ら名だたる巨匠をはじめとした同人の作品32点に加え、日本美術院賞、奨励賞、第14回天心記念茨城賞の受賞者の作品、さらには茨城県に関係する作家の作品等、併せて68点を紹介いたします。