1904年(明治37年)小坂町に生まれ、十代半ばで絵の道を志した福田豊四郎は、生涯を通じ新しい日本画の創造を求め続けました。戦前から戦後にかけての日本画壇において革新運動の旗手として指導的な役割を果たしています。
福田豊四郎はたゆまぬ創造の過程で、数多くのデッサン・スケッチ等を遺しました。それは、日常的な生活の記録にはじまり、日頃積み重ねた研さんの跡でもあり、作品への模索のみちすじをたどることができる、いわば創造の「みなもと」といってよいでしょう。そこには作品では知り得ない折々のエピソードが附されていて福田豊四郎の人となりと知る上で貴重な資料になっています。
今回の展覧会では、動・植物や国内外でのスケッチ、作品のためのエスキース、挿絵コーナーなど幾つかのテーマに沿ってデッサン・スケッチ等をご紹介します。
この機会に、福田豊四郎の創造のみなもととなった世界を心ゆくまでご堪能ください。