玩味には、詩文を読んでよく考え味わうこと、また物の趣などをよく味わい賞美することという意味があります。鎌倉幕府の頭脳として、力量をいかんなく発揮した金沢北条氏は、当時の最高水準といえる知識と審美との眼をもって、最先端の文化を持つ中国からの「唐物」を玩味しました。また、彼らの菩提寺であった称名寺の僧侶も中国文化に造詣が深く、その様子は現在に残る文化財からうかがい知ることができます。
本展示では、世界で唯一の写本とされる「国宝 文選集注」のうち、金沢文庫で保管する全19巻を公開するとともに、中世の文化人の知性を刺激してやまなかった絵画、陶磁器、漢籍や仏典などを紹介します。