江戸時代より宮廷御用唯一の御人形司として、伝統的な御所人形を作り続けている伊東家。現在の当主、十二世 伊東久重氏(1944- )も十一世の後継者として十世の薫陶を受け、1978年に十二世を継承し、数多くの作品を作り続けています。氏の作られる清新で格調高い御所人形は、稚児のあどけなさを残しつつも気品溢れる作風で、皇室をはじめとして多く方に愛玩されています。
また、氏の作品制作意欲は御所人形だけにとどまらず、御人形制作時に使用する胡粉(貝殻を細かく粉状にした顔料)を高く盛り付けて彩色した桐箱や桐板の短冊なども手掛けられ、御所人形とともにその秀麗な作品の数々は、見る者を雅の世界へと誘います。
本展では、十二世 伊東久重氏の優美な御所人形をはじめとして、胡粉高盛金彩の作品も同時に展示し、伊東家に受け継がれし入神の技をご紹介いたします。