1884年(明治17)8月24日、森?外は横浜港からドイツ留学に出発しました。留学の当初
の目的は医学研究でしたが、ヨーロッパ文化に深く魅了され、帰国後、訳詩集『於母影』、
おもかげ
小説「舞姫」を発表しロマン溢れる西欧文学の息吹を日本にもたらしました。洋行体験に大
きく感化を受けた?外にとって、横浜の港は文学者としての出発の地ともいえます。
本年2009年は横浜開港150周年、また、今なお横浜市民に親しまれている?外作詞
による横浜市歌誕生100年の年でもあります。この記念すべき年に開催する本展は、日
本文学の「近代の扉をひらいた」?外の業績と、軍医として明治政府の第一線で働きな
がら、公と私の間で大きく揺れ動いた人生の足跡を貴重な資料の数々により展覧するも
のです。