香川における漆工芸品は、明治中期、粗製濫造により信用を失いますが、技術の向上を目指した工芸学校の設立などにより復興を遂げます。
一方、岡山の備前焼は、長い苦難の時期を経験しましたが、戦後、わが国の伝統美として改めて注目され、新たな変革へと進んでいます。
また、戦後制定された文化財保護法は伝統工芸技術の保存・継承に寄与し、重要無形文化財保持者(人間国宝)の選定には高い関心が寄せられています。
この展覧会は、幕末から現代まで、備讃における工芸のあゆみを紹介するとともに、その技と美をとりまく環境にも着目し、後世への伝承を提起しようとするものです。