粟津潔(1929年- )は、時代を先駆けてグラフィックデザインの分野を開拓した先駆者のひとりで、同時に、ペインティング、映像、イラストレーションという領域においても幅広く活躍した芸術家です。ジャンルを横断した活動の全体像は膨大で、一言で捉え難いものではありますが、ここでは「複々製に進路をとれ」という複製技術の時代の芸術動向を象徴した言葉をキーワードとして、粟津の60年間の活動を現代的な意義を問いかけながら振り返ります。
なお、粟津潔は開館当初から川崎市市民ミュージアムと深い関わりのある川崎在住作家であり、開館20周年記念展として本展を開催いたします。