シュルレアリスム(超現実主義)は、1920年代初頭のパリを中心に展開された、20世紀を代表する芸術運動の一つです。シュルレアリスムは意識の彼方に広がる無意識に注目し、夢や狂気、錯覚や偶然性に着目することにより、芸術を理性の枷から解き放つことを目指しました。
シュルレアリスムの法王と呼ばれた詩人アンドレ・ブルトンによって、最初に文学において高まりを見せたこの運動は、美術の領域でも多くの才能を得て、豊かな成果を生み出しました。
本展覧会では、版画を中心に油彩画、コラージュ、写真など約90点の作品を展示し、多彩な技法を介して実現されたシュルレアリスム美術を紹介します。ダリ、マグリット、エルンスト、ミロ、タンギーらシュルレアリスムを代表する作家の作品とともに、シュルレアリスムがその後の美術に与えた影響を示すクリストやジョン・ケージらの作品も展示し、シュルレリスム美術の広がりと深まりを検証します。