11回目を迎える毎秋恒例の琳派展。本年は300年以上に及ぶ琳派の歴史において、常に描き続けられてきた草花図に焦点を当てます。
四季の移ろいに伴い豊かに花が咲き巡る日本、文学の世界では古くからさまざまな草花を選び、季節を示す象徴と位置づけ親しんできました。一方絵画においては中世以降、四季花鳥図や月次花鳥図などで草花を描いてきましたが、多様な植物を積極的に取り上げ、その特性を存分に描き表わしたのは、近世の俵屋宗達を基点とする琳派の画家たちです。
本展では宗達派の金銀泥絵をはじめ、「伊年」印の草花図、光琳派の華麗な作品、芳中や江戸琳派など後期琳派の花鳥図等、多数の作品を展示。琳派の花々が奏でる美しい旋律により、新たな琳派の魅力を紹介します。