佐藤事(1915-1999)は、大分県に生まれ、昭和23年から約50年間佐倉市で過ごし、佐倉市立佐倉中学校で教鞭をとり、佐倉美術協会の会長をつとめるなど、戦後の佐倉の美術振興にも貢献した作家です。
画家としての活動は、太平洋美術学校を卒業後、三十代後半から二紀会や県展に佐倉の風景や鳥を題材とした作品を約10年間出品しています。その後、活躍の場を三軌会に移し、限られた色数で抽象的な形体を構成した作品や「女」をテーマとした作品など、油彩画による多様な表現を試みました。
晩年の佐藤は、蛙たちの戯れるさまを明るい色彩と独特の空間処理によって描き、記号派美術協会や個展を中心に作品を発表し続けました。
本展では、佐藤事の初期から晩年までの油彩画・水彩画など約50点をご紹介いたします。