とぎ澄まされた美意識で、格調高い日本画の世界を拓いた小林古径(こばやしこけい)(1883・明治16年~1957・昭和32年)。
古径は今の新潟県上越市に生まれ、16歳で上京、梶田半古(かじたはんこ)に入門しました。27歳のとき紅児会に入会、安田靫彦(やすだゆきひこ)や今村紫紅(いまむらしこう)ら同世代の新鋭たちと研鑽を重ねました。そして大正3年(1914)、日本美術院の同人となり、以降、院の中心として活躍、昭和25年(1950)には文化勲章を受章しました。
古径は「線の画家」と称えられています。そのしなやかで張りのある描線は、古径の深い観察眼によって、人やものの命をもとらえ描き出しました。本展では素描・淡彩画20余点を含む約70点の名品を紹介いたします。清らかな魂をたたえた古径の美の世界を、どうぞご堪能下さい。