新潟県北蒲原郡新発田町(現・新発田市)で育った佐藤哲三(1910-54年)は13歳から絵を描きはじめ、20歳前後に梅原龍三郎らに認められ中央画壇で一躍脚光を浴びました。しかし、その後も地元にとどまり、蒲原平野に生きる人々とその風景をひたすらに描き続け、44歳の短い人生を閉じました。哲三の描く人物や風景は決して華やかではありませんが、現実をみつめる強い眼差しによる彼の作品は、今もなお多くの人の心を捉え続けています。
本展覧会では、哲三の主要作品をまとめてご覧いただくと同時に、新発田を中心とする同郷の画家たちや、哲三に関わりのあった画家たちの作品も併せて展示し、哲三の生きた土地と時代を鮮やかに浮かび上がらせます。