幕末から明治時代にかけての写真技術の伝来と発達は、各方面に大きな影響を与えました。相撲も例外ではなく、力士の姿をありのままに伝える写真は、錦絵に替わる存在となって人々に親しまれ、明治後期には多数の絵はがきが作られるようになりました。同時に日本独特の娯楽、競技である相撲は、日本を海外に紹介するための素材の一つとして盛んに撮影されました。
今回の展覧会は、鬼面山谷五郎、小錦八十吉、大砲万右衛門など明治時代に活躍した横綱を初めとする名力士の肖像や、土俵入り、取組の様子を撮影した古写真、名刺判写真、絵はがきなどの資料を通じて、明治時代の大相撲界をご紹介いたします。