武器である刀剣は、現在では美術工芸品として広く認識され芸術品として私たちの精神生活の中に深くかかわっています。刀剣界の泰斗・佐藤寒山の言葉に「人々は次から次へと交代を重ね古人は今人を知らず、今人はまだ昔日の世を知らない。世情を知っているものは、ひとり日本刀のみである。」とあるように、刀は伝統のうちに作り上げられていった日本文化の粋としての鉄の芸術作品といえるでしょう。
当館では昭和55年に第3回企画店「刀剣展」、平成5年に第45回企画展「日本刀の美―その歴史と技―」、その後、県民と創る特別展の計3回を開催し、好評を得ました。今回は代表的な流派三世代の作品とともに、郷土群馬が生んだ刀匠の作品を一堂に配します。
古今の名工の作風をご覧いただくとともに、刀匠たちが魂をこめて作刀した息吹を感じ取っていただければ幸いです。