この展覧会は、戦後日本を代表する6人のアーティスト、オノ・ヨーコ、草間彌生、久保田成子、斉藤陽子、塩見允枝子、田中敦子たちの作品が示す、限りない芸術の探究とその革新性へとたどり着こうとするものです。彼女たちに共通する、伝統的な芸術のあり方や古典的な美の基準とはまったく対照的な制作態度は、同時代のアートシーンを目覚めさせ、若返らせるきっかけとなり、また、日本の現代美術が国際的な舞台へと羽ばたき、世界の注目を浴びる呼び水ともなったのです。
6人のアーティストたちが実践した、芸術というものを「生きること」に近づけようとする道筋は、生まれながらの歴史的、文化的な風土に浸りながらも、そこからは距離を置こうとする姿勢によって特徴づけられるでしょう。彼女たちは、日々の、そして積み重ねられた人生の中に、見失われていた現実を取り戻そうと活動してきたのです。この展覧会は、これら6人の主人公たちが示した、己の芸術的企図とアイデアを表出しようとする抑えきれない衝動を感じ取る場となるでしょう。