サイモン・パタソンは、祖父母の4人がそれぞれ、イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドという
完璧な大英帝国人として1969年、サリー州に生まれた。
90年代の英国の現代美術を支えたヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)の中では、ハーストやゴードンに比べて
地味な活動ではあるが、言わばいぶし銀としてその存在は重要視されている。その作品は些か難解ながら、読み解いたとき
の快感はゴールドスミス卒業生ならではのもの。船、地図、星図、計算尺そして最も著名な地下鉄路線図、それら彼得意の
モチーフは絶妙のノスタルジーと高度なウィットにちりばめられてスマートな作品と化し、観客を幻惑する。
1994年、コオジオグラギャラリーとレントゲン藝術研究所の巡回展「ハイ・フィディリティ」以来、パタソンは日本に
於ける幾度もの展覧会を開催、成功させている。今回の展覧会は彼の新作展としては2004年3月以来実に4年半ぶりの開催。
現在グリニッジ・マリタイムミュージアムでの展覧会も好調なパタソンが、いかなる作品をひっさげ、いかなる展覧会を開くか?
いつも最後の最後まで、それは画廊にさえ明かされない。乞う、御期待。
展覧会初日10/3(金)18:00〜、出品作家を囲んでのオープニングパーティーを開催いたします。